在るはずの物が無いバイオリン弓

あきひろ佐藤

2010年05月15日 00:37

写真は私が2002年ロンドンのベア商会で買い求めたバイオリン弓である。

ジェームズタブス、1890年に造られたもので、ちょっと見あることに気が付かない。
これは少しピンボケだけれど、普通のバイオリン弓、見比べて欲しい。

タブスを買ってから毛を交換しようと思ったら、、、、毛を束ねる銀のリングの所に、木(詰め木)がタブスには無いのである。
エ”、、、そんなの有りって気づいたって遅いよ。

いつも毛替えを頼んでいる楽器店に問い合わせたら、そのような弓は張替えた事がないという。

任せる訳にはいかないので、原村の番場さんに相談、さすがである、かつて一度だけ毛替えをしたとのことで、日帰り往復420kmのドライブとなった。

番場順さんいわく、タブスは自分の誕生日に一杯やりながら、このような弓を造ったとのこと。
英国人の洒落なのか?現代の弓職人をあの世から笑っているような作品だろう。

因みに5年月賦で返済したものの、今は買値の2倍のプライスが付いているらしい。

James Tubbs 恐ろしや。


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