2007年04月29日
良さんの話 9.誤算

理由は、先週書いたとおり、人を撃ちたくもないし、撃たれたくもない。
只それだけだったようだ。
そんな時、銃機関銃小隊に衛生兵が居ない事が判明したのか、「誰か衛生兵を志願するものは居ないか?」との上官の声が聞こえた。
良さんは、迷わず「志願します!!。」と返事をしてしまった。
あたりの者は、どうして???と言わんばかりの顔つきだったそうである。臆病ものだ、と言う訳だ。
良さんもその事は承知していたが、自分の考えを曲げる事は出来ない性分だし、
生きていてこそ何ぼのものだから、役目として必要ならばと思ったのであろう。
少なくても最前戦に行くことは無い、と思っていたそうである。
だがそれは、大きな誤算だった。
Posted by あきひろ佐藤 at 09:14│Comments(0)
│父の話
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